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すべての工夫に“想い”がある

「見た目が美しいだけではない。触れたとき、動かしたとき、納得できる機能がそこにある。」

SEIGA の開発には、そんな信念が貫かれています。

多くのトライ&エラーと情熱が注がれた開発の詳細は、以下のSEIGA テクノロジーページでご紹介しています。

品質総点検と製品化への道

2022年3月、コロナ禍の影響が残る中、日本デンタルショーで初披露された SEIGA。

市場の反応は上々で、「こんなユニット見たことがない」「未来的でかっこいい」といった声が多数寄せられました。他社からは、「このタイミングでコロナ禍を意識した非接触操作機能を実現できたのは、かなり以前からの構想が練られていたからだろう」と驚かれました。

デンタルショー以降、SEIGA はモニター運用と製品ブラッシュアップのフェーズに入り、全社横断の「品質総点検」で大規模な実機確認を行いました。

開発は「トレードオフの連続」と表現されます。

SEIGAも同様で、使いやすさを追求すれば構造が複雑になり、コストとのせめぎ合いが始まります。そのたびに、SEIGA として守るべき価値と技術的、品質的に妥協できない条件についてチームで徹底的に議論し、設計の見直しを何度も重ねました。

モニター期間中に寄せられた細かな要望にも真摯に向き合い、衛生性・操作性・快適性のすべてを丁寧に調整しました。そうして完成したユニットが、SEIGAです。

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日本デンタルショー2021での展示
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患者様に寄り添うスムーズな動作と

安心のための工夫

立ち上がりを“支える”という新しい椅子の在り方

「立ち上がりアシスト」は、患者様の立ち上がり動作をアシストするチェアの新機能です 。チェアのプラットフォームに座面を傾ける機構を如何に組み込むかが大きな課題でした 。

内部にはすでに多くの部品が敷き詰められており、スペースは限られていましたが、実機観察と椅子機構のレイアウトを再検討し、小型のアクチュエータを配置することで対応しました。

座面を前方にスライドしながら上昇する動きとすることで、より自然な立ち上がり動作をアシストします 。また、座面が持ち上がる際にバックレストと干渉する課題もありましたが、座面クッションに部分的な屈折構造持たせることで解決しました。この革新的な機構は、介護に関する文献調査に加え、自身の身体を使って繰り返し動作検証を行う中で導き出された成果です。

「電動スピットンボウル」は電動と手動の両立が難題でしたが、安全装置である脱調機能(患者様にぶつかった際に空回りする機能)をモーター側で制御するのではなく、O リングを使用したプーリーの滑りで解決しました。当初はモーターの回転速度が速く、動作音も大きい状態でしたが、チェアの起き上がりと音声のタイミング、スピットンの回転速度を調整し、“ 心地よいうがい動作” へと仕上げました。

空中と足元で連携する空中タッチディスプレイ

技術と試行錯誤の先に生まれた操作体験

「空中タッチディスプレイ」は、SEIGA を象徴する機能の一つです 。当初はSF 映画に出てくるホログラムのようなナビゲーションキャラクターが動画を流すアイデアもありましたが 、より大きな画面で患者へ説明するために、空中タッチディスプレイから自然な流れで患者様の視線を外部モニターに誘導するようにしました。限られたスペースの中で、ディスプレイを最大限見やすく操作しやすい配置・角度・サイズにこだわり、表示の重なりによって発生するゴースト像への対策にも繊細な配慮をしています。

この空中タッチディスプレイと連携するのが「マルチフットコントローラー」です 。

ユニット操作のフットコントローラーに、ネクストビジョンの操作を統合する目的で開発を進めましたが、当初は「いま何の操作をしているか」「どのモードなのか」が表示されず、直感的にわかりにくいという課題がありました 。そこで、操作状況を空中タッチディスプレイに表示させるというアイデアが生まれました 。非接触で両者を操作・連携できるこの仕組みは、ブレイクスルーとなりました 。

しかし、 SEIGA のドクターテーブルに空中タッチディスプレイを組み込むにはサイズの制約という新たな課題が発生 。機械内部のレイアウト調整の工夫と、視覚的に“薄く見せる”デザインによって実現しました。

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シンプルに見せる造形

シンプルに見えるということは、本当に必要な要素に絞り込むこと。

視覚的な情報をできるだけ削ぎ落とすことで、治療に集中しやすくなると考えました。

また、段差の少ないフラットな構造は、清拭しやすく、衛生面にも配慮した設計になっています。

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美しさと機能性を調和させたガラストップの追求

SEIGA の「ガラストップ」は、フラッグシップモデルだからこそ実現できた創意と挑戦が融合したデザインです。従来の押しボタン式スイッチではなく、静電容量式を採用することで、ガラストップとの美しい一体感を実現しました。しかし、その背景には“ガラスならでは”の多くの課題がありました。

割れた際の安全性確保や、どの程度の衝撃で破損するかの検証、さらに飛散防止フィルムとの間に気泡が生じるといった問題にも直面しました。

実際に社内で鉄球を何度も落下させてガラスの破損状況を確認することや、ガラスメーカーとともに素材の積層順の見直し、改良を行うなど、品質の安定化に向けた試行錯誤が重ねられました。また、ガラスのわずかな反りに対応するため、補強用の樹脂部品にはリブや固定箇所を追加するなど、構造面でも細やかな工夫が施されています。

このガラストップに統合された静電容量式スイッチの開発では、誤検出対策や光り方のムラ対策に苦慮しました 。基板上の配線パターン改良や、導光板の選定・形状検討、周辺構造の工夫を通じて、美しい光り方と安定した操作性を実現しています 。

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  要素開発            設計・構造解析

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機能モデル・検証          設計検証

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企画・デザイン

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設計・デザインモデル制作・デザイン検討

SEIGA Development Story

開発ストーリー
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開発プロセス

SEIGA は、空中タッチディスプレイ、水管路洗浄、電動のスピットン回転、立ち上がりアシストなど新しい要素技術を取り入れたフラグシップユニットです。設計にあたっては、各要素について安全性や品質に問題がないかあらゆる視点から検証し、時間をかけてSEIGAを磨き上げています。

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ユニットカラー
​ダークシャイニングカッパー

インテリアに調和する華やかな暖色系を採用。落ち着いたトーンにメタリックの質感を加えることで、角度や照明によって印象が変化し、華やかさの中にシャープなイメージを演出しています。

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シャンパンゴールド

シルバーにわずかにゴールドのニュアンスを加えた、より上質なシャンパンゴールド色を採用しています。

ネクストビションやドクタースツールも同色でご用意しています。

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スピットンボウルカラー

スピットンボウルのカラーは、SEIGA ユニットカラーのダークシャンカッパーやシャンパンゴールドと調和するよう、複数の調色サンプルをつくり、こだわりのアイボリーカラーを選定しました。

また、ツートーンカラーのシートにも色調を近づけることで、ピュアホワイトのパネルを選んだ場合でも、インテリア全体との調和がとれるようにカラーコントロールしています。

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こだわりのブラックカラー

SEIGA は、チェア下台やテーブルアームなどのパーツにブラックカラーを採用しています。

ユニット製品に黒色樹脂パーツにすることは、私たちにとっては新たな挑戦でした。成形精度と質感を両立させるため、複数の試作と修正を重ね、審美性と機能性を兼ね備えた、これまでにないカラーデザインを実現しています。

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SEIGAツートーンカラーシート

SEIGAチェアシートは細部にこだわり、2 色のレザーシートを組み合わせて縫製しています。ハイコントラストな配色による視覚効果で、シート全体を薄くスタイリッシュに見せています。縫製部にはゴミが溜まりにくい工夫を施し、衛生面にも配慮しています。

新色のツートーンカラーシート「アンティークブラウン」を追加しました。

インテリアスタイリングと
カラーリング

SEIGAの診療空間に調和する、3つのインテリアスタイル

——「ラグジュアリー チル」「ホテルライク」「ダークモダン」を2色のユニットカラーでご提案。 上質さと個性が共存する、洗練された空間を演出します。

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カラーデザイン

デザインコンセプト

SEIGA Design Concept

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デザインコンセプト

スタイリング 
-ウェッジデザイン-

SEIGAのデザインは、その名の通り、星河(天の川)をモチーフにしています。

星河は数千億もの星が集まる銀河であり、その壮大な輝きのように、歯科医療を光輝かせたいという想いが込められています。

具体的には、星の輝きを象徴する五芒星の一片を図案化し、それを「ウェッジデザイン」という形に昇華させました。「ウェッジ」すなわち「楔(くさび)」が持つ、物と物をつなぐ役割をSEIGAのデザインに展開しました。これにより、機能性とデザイン性の両立を実現しています。

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How SEIGA Began

生まれた背景

SEIGAが生まれた背景には、コロナ禍が大きく影響しています。歯科医院では、以前にも増して徹底した衛生管理が求められるようになりました。

また、歯科衛生士の慢性的な人手不足も深刻な問題となっており、スタッフの負担を増やさずに、より簡便で精度の高い衛生管理を実現することが急務となりました。

現代の歯科医院では、マイクロスコープや口腔内スキャナーなどの精密機器導入により診療が複雑化しています。一方で、予防や審美的なケアを求める患者様の増加に伴い、長時間の診療に耐え得る快適なチェアや高齢者にも配慮した機能的なデザイン、そして高まるホスピタリティの要求など、多岐にわたるニーズが顕在化しています。SEIGA は、こうした複雑かつ多様な歯科医療現場のニーズに応えるために誕生しました。

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SEIGAで叶える3つのこと

テーブル上に非接触操作が可能な空中タッチディスプレイを配置し、ボタンに触れることなく機器操作を行えるようにしました。さらに、テーブルやユニットの天面を凹凸のないガラス製にすることで、薬剤を用いた清拭を容易にし、衛生管理を強化しています。

衛生性の向上

 

ビルトインされたネクストビジョンの操作や、PC上の各種ビューアソフトの画面切り替えを、空中タッチディスプレイとフットスイッチに集約し、これらの操作をユニット側の操作系と統合することで煩雑さを解消し、よりスムーズな診療をサポートします。

操作性の向上

 

患者様がチェアから降りやすいように、座面後方が持ち上がり、座面前方(膝部)が下がる動きによって、立ち上がりをアシストする機構を備えました。チェアを寝かせるときも、背板の動作に合わせてヘッドレストが連動し、寝姿勢時に自然と開口しやすい体勢をつくることで、患者様にとっても無理のない快適な診療環境を提供しています。

快適性の向上

もっと伝えたい SEIGAへの想い

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NEW

SEIGA Brand Story

SEIGAは2つのデザイン賞に選ばれました。

JIDA Design Museum Selection

GOOD DESIGN AWARD 2023

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実装モデル

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量産設計 耐久試験 品質総点検 モニター調査

量産設計 耐久試験 品質総点検
モニター調査

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開発者の想い

技術と情熱が形にした、

未来のフラッグシップユニット

― SEIGA 開発者の想い

次の時代の歯科医療にふさわしいユニットとは何か。

その問いに向き合い続けた開発チームが、

ゼロから挑んだフラッグシップユニット「SEIGA」。

空中タッチディスプレイの操作、立ち上がりアシストなど、これまでにない機能を多数搭載したこの製品には、設計者たちの技術と情熱が注ぎ込まれています。

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